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【イベントレポート】石狩川治水の事績が残る茨戸川周辺を巡る、見学学習に潜入取材!魅力発信<第十一弾>

\川の楽しさ&魅力を発信~第十一弾~/

日本三大河川のひとつ「石狩川」。
大雪山である石狩岳の西斜面を源流に、はまなすの丘公園が整備される石狩湾の河口まで流れる北海道随一の長大な河川で、北海道遺産にもなっています。

石狩川の名前の由来と言われている、「イ・シカラ・ペツ」(アイヌ語で「非常に曲がりくねった川」の意)。明治期、北海道開拓が始まったころには、広大な泥炭性の低平湿地を至る所で縦横に蛇行し氾濫を繰り返していました。

そして当時、石狩川治水事務所の初代所長を務めていた岡崎文吉氏が画期的護岸工法を考案。洪水対策として生振捷水路の基礎を築き上げてから現在まで、様々な洪水対策が行われ私たちの生活は水害から守られてきました。

今回は、私たちの生活を水害から守るために整備されてきた治水について調査し、皆さんにお伝えするべく…!前回に引き続き、いしかり市民カレッジのセミナー【石狩川治水の歴史】に治水に興味のある北海道カメラ女子の会のメンバーが潜入取材をしてきました!

イベントについて

▼いしかりカレッジのセミナー【石狩川治水の歴史】(全3回)
 第3回「事績の残る茨戸川周辺を巡る」(見学学習)

■開催日時:2023年5月25日(木)9時00分~12時30分
■集合場所:石狩市民図書館
■参加人数:35名

参加した北海道カメラ女子の会のメンバーの体験レポートをお届けします。

単床ブロック説明板~花畔・銭函間運河跡碑~ふれあい護岸

講師を務めるのは、石狩川治水遺産研究会事務局長の安田秀司さん。

まずは集合場所である、石狩市民図書館裏の「単床ブロック説明板」と「花畔・銭函間運河跡碑」から案内して下さいました。

治水事業が始まった明治43年、石狩川の川道は重要な交通路としての役割を持っていた為、毎年のように発生する洪水被害により舟運は著しく阻害されていたのだそう。

当時、まだ原始的河川に近い状態だった石狩川に、石狩川治水事務所の初代所長を務めていた岡崎文吉氏が河道決壊防止を目的とした、「コンクリート単床ブロック」を考案・施工。

今までの工法に比べて経済性と強度、耐久性に優れ、河床の変形にも適応した画期的で優れた発明だったとのことで、確かに明治期にレンガではなく鉄線入りコンクリートを使用したのは画期的だったのだと実感しました。

石狩市民図書館の裏は、天気が良い日のお散歩コースとして市民の憩いの場所になっています。このような、石狩川治水のゆかりの地があったとは知らなかったので、解説を聞きながら驚くばかりでした。

見学後、バスに乗車し「ふれあい護岸」を車中から見学しました。

図書館裏から東へ約1.7㎞までの茨戸川河岸は、単床ブロックが最初に敷設された場所なのだそう。

次の見学地である「観音橋付近」へ移動しました。

観音橋

生振捷水路が完成した昭和6年以降、生振地区は周りを川に囲まれることになり、域外へ移動する手段は渡舟のみになりました。

しかし、伏籠川、創生川、発寒川などから茨戸川への流入水の逆流防止策が必要だった為、昭和10年に旧本川に500mもの締切堤防がつくられました。これによって狭くなった水路に「観音橋」が架けられ、交通と流入水の逆流の問題が解決し、バスの運行も始まったのだそう。

捷水路などの完成により、石狩平野が「人々が暮らせる場所」に大きく変化したこと。そして渡舟からバスへと地域の人々の生活が少しずつ改善されていったのだと改めて感じられた場所でした。

単床ブロックの護岸を間近で見ることができ、とても理解を深められた場所でした。

石狩川護岸工事起点碑

次に訪れたのは、平成4(1992)年に建立された「石狩川護岸工事起点碑」。

大正5年着工の護岸工事起点碑を復元したものです。原標柱も台座に埋め込まれており、見ることが出来るようになっています。

記点碑を目の前に、石狩川治水の歴史について教えていただきました。

当時、洪水を繰り返していた石狩川に対して、岡崎文吉氏を中心に治水事業が本格的に進められたこと。27歳という若さで大事業を任されながらも遂行する為に多くの課題と向き合い、その技術と熱意により北海道の近代化を支えてくれたことに感動しました。

茨戸川護岸ブロック~札幌大橋からの生振捷水路

次に、起点碑の向かい側にある単床ブロックを観察しました。

遠くに残雪が残る朝里岳と手稲山をのぞみ、茨戸川が流れるのどかな景色。かつては流域に暮らす人々を苦しめたのだろうと想像しながら、石狩川治水の歴史に思いを馳せました。

その後は、札幌大橋から生振捷水路を車中で観察しました。当別捷水路と生振捷水路は、大正から昭和初期にかけての工事で完成した人工水路なのだそう。

雄大な自然河川のように見える水路を前に、改めて人工水路であることに驚いた瞬間でした。

川の博物館

石狩川治水資料館として、昭和60年に開館した「川の博物館」を見学しました。館内には川のはたらきや治水の歴史についての資料が数多く展示され、映像やパネルで楽しみながら川と防災の学習ができる施設です。

河川事務所の三浦さんから、川の博物館の機能などについて詳しく解説していただきました。

パネルによって当時の洪水被害などが想像できたり、実際にコンクリートの単床ブロックを見学できたり…子ども達にも分かりやすいように工夫されていました。

入館には予約が必要ですが、夏休み期間中の7/22~8/19は予約不要で入館できるそうなので、ぜひお子さんと一緒に足を運んでみて下さいね。

まとめ

岡崎文吉氏と治水の歴史について学び、北海道の歴史やあゆみを知るきっかけになった見学学習でした。

参加したメンバーに、今回の見学学習の“推しポイント”を聞くと・・・
・堤防を高くするという対処療法ではなく、データをもとに自然環境を考慮し、単床ブロックを考案した治水の在り方は、自然の生態系や森林の保水力など環境保全の面からも現代に通じる思想だと感じた。
・先人の偉業に、改めて賞賛と感謝を感じられる見学学習だった。などの声が寄せられました!

皆さんも、改めて石狩川の歴史を振り返りながら治水の重要性について理解を深めてみてはいかがでしょうか?

● 前回までのツアーについてはこちら

第一弾:空知川川下り体験&炭鉄港施設の見学ツアーに参加!
第二弾:石狩川クルーズ&川の博物館ツアーに参加!
第三弾:定山渓ダムでアイスカルーセルを体験!
第四弾:三笠ラフティングツアー&野外博物館ツアーに参加!
第五弾:CHITOSE RIVER CITY PROJECT 2022に参加!
第六弾:石狩川ひつじまつりに参加!
第七弾:開発局調査船「弁天丸」&江別河川防災ステーション見学ツアーに参加!
第八弾:新桂沢ダム・三笠ぽんべつダム見学会に参加!
第九弾:冬のオアシスパークでアイスカルーセルを体験!
第十弾:セミナー「石狩川の治水を学ぶ」に潜入取材!

【オンライン版】そらちワーケーションガイド2021

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